公務員特有の文化である人事異動。
「いつ誰がどうやって異動を決めるの?」「優秀な人、ポンコツが異動する部署は?」など生活や評価が大きく変わる人事異動のこと、公務員なら気になりますよね。
この記事では、
・人事異動の時期と決定方法
・優秀な人、ポンコツ職員の配属先
...など人事異動の全てを徹底解説していきます。
人事異動に関する疑問が全て解決できる内容になっていますので、最後までチェックしてくださいね。
目次
公務員なら避けられない!
人事異動の基本を徹底解説
公務員は、さまざまな業務を遂行するジェネラリストを育てる文化があります。
ジェネラリストを育てるために定期的に人事異動を実施し、職員のレベルアップを図ります。
そんな人事異動は「いつ、誰が、どのように」決めるのか?
人事異動は「いつ」決まる?
公務員の人事異動は4月1日付で行われます。
公表は3月の2週目から4週目までに多くに自治体で発表されます。
年度末のギリギリに発表されるのは、職員のモチベーションを下げないためと言われています。
不定期な人事異動もある
人事異動は4月1日付け以外にも不定期に行われる場合があります。
例えば、
・休職、退職者の代替職員
・突発的な補助金申請の担当職員
・コロナウイルス対応などの応援職員
...など、年度途中で人事異動になるケースもあります。
人事異動は「誰が」「どのように」決める?
担当所管は人事課で、10月ごろから準備します。
部長→課長→係長→係員といった上位の役職から決定していきます。
当該職員の人事評価、適正、上司や同僚との相性などを考慮の上、決定されます。
一般的に3年から5年に一回くらいの頻度で人事異動があります。
経験不足な新人は、3年程度で異動することが多いです。
1年で異動する人はやばい?
通常、3年〜5年程度で人事異動になりますが「1年で異動する職員」「10年以上に同じ職場にいる職員」がいます。
「1年で人事異動する人」は、
→9割以上が能力や人間関係に問題がある
→1割未満が優秀すぎて今の部署ではもったいない
...といったケースがあります。
「10年以上同じ職場にいる人」は、
→99%が権限委譲しないおじさんで
仕事の引き継ぎを怠り、自分が欠けると仕事が回らない環境を作る承認欲求の塊です。
転職に弱い原因はコレ!
公務員の人事異動のメリットとデメリット
公務員の人事異動は、転職レベルで仕事がガラッと変わるため、キャリアや私生活に大きな影響をもたらします。
人事異動にはメリットとデメリットがあり、それぞれ解説していきます。
公務員の人事異動のメリット
人事異動では、ジェネラリストになれる以外にもメリットがあり、
・飽きっぽいor好奇心が旺盛な人
・現在の職務内容や人間関係が適していない人
...にとっては、環境を大きく変えることができるので、ありがたい制度です。
公務員の人事異動のデメリット
次に人事異動のデメリットですが、
・配属ガチャ、上司ガチャなど運要素が強め
・定期的に異動するためスキルが定着しにくい
...といった短所があります。
人事課が適正を考慮しているとはいえ、100%満足いく人事異動は難しいものです。
異動によってスキルが定着しないため「転職したくてもできないよなぁ」とモヤモヤとした不安がつきまといます。
また、どんなにやりがいを感じていて、好きな職場であっても異動しなくていけないのがツラいです。
NGルール知ってる?
公務員の人事異動の注意ポイント
公務員の人事異動のルールを説明していきます。
公務員の人事異動は、
①原則、拒否できない
②休職中は異動できない
③一つの場所で働き続けることはできない
といったルールがあります。
①原則、拒否できない
公務員の人事異動は収拾がつかなくなるので、原則拒否できません。
人事異動案は、パズルのように細かく組み合わされており、一つのピースがズレるだけで、全体に影響が出てしまうからです。
ポイント
原則があれば、例外もあります。
体調不良や家庭の事情などやむを得ない事情がある場合は、人事異動を拒否できることがあります。
ただし、医師からの診断があるなど誰が見ても明らかに無理がある場合以外は認められないでしょう。
「駄々をこねまくって人事異動を拒否した」という噂が立った職員がいました。
管理職相手にかなり強く主張したとは思うのですが、悪いイメージの噂が立ってしまうリスクが高いです。
②休職中は異動ができない
心身に不安があり、業務に支障が出る職員を異動させた場合、異動先の職員が困ってしまいます。
これを認めると、休職すれば異動ができることにもなってしまうので、安易に認めることができません。
休職者が異動するには、人事異動の決定作業前に職場復帰している必要があります。
休職制度を悪用する職員
休職を繰り返しつつも、永遠に退職にならない職員もいます。
同じ職場に休職しながらとどまり続けるために
・退職になるギリギリに復帰
・人事異動になるギリギリに休職
...を繰り返しています。
③一つの場所で働き続けることはできない
公務員の中で最も多い事務職は、一つの職場で働き続けることはできません。
しかし、専門職は、
・技術系は、土木事務所
・保健師は、保健事務所
・保育士は、保育園
...といった特定の職場で働き続けることになります。
異動希望は通る?
異動希望が出せる自治体と出せない自治体があります。
異動希望制度がある自治体でも基本的に異動希望は通りません。
人事課が本人に意見を聞いたという体裁づくりが目的になっており、形骸化しています。
私も実際に以下の異動希望の申告をしたことがありました。
①希望部署を10個以上記入
②福祉の不人気部署を1つ記入
どれだけ多く書いても、人気のない部署を書いても希望通りになりませんでした。
少しでも人事異動の希望が通る可能性を高めたいという願望がある方は、資格取得でキャリアの幅を広げましょう。
以下の記事を参考にしてくださいね。
人気・ラクな職場はどこ?
優秀・ポンコツ・新人公務員の異動先3選
公務員の配属先は、一回の公務員人生では回りきれないほど多くの部署があります。
多種多様な職場の中には、
・優秀な職員が配属されがちな職場
・新人が配属されがちな職場
・不人気職場
などがあるので、一つずつ具体的な部署を挙げながら解説していきます。
出世ほぼ確定!優秀な公務員が配属される花形部署3選
自治体に将来を背負っていくような優秀な職員が配属されがちな職場は以下の3つです。
①企画 ②財政 ③人事
特に企画と財政は仕事ができる人が集まる部署で、
・全体を見る広い視野
・他部署や管理職を説得するコミュ力と論理的思考
...を身につけることができます。
優秀とは「仕事の出来の良さが自治体内で噂になるレベル」の人が多いです。
出世したいなら人事課へいけ
企画・財政と比べて優秀さは劣りますが、人事経験者は出世が早い傾向があります。
人事課OBの管理職が異動後の人事にも口出しをしたケースを聞いたことがあります。
人事課に都合の良い人事の原因はコレだったのか…と合点がいきました。
理由は、新人でケースワーカーや徴税担当といったハードな職場を経験した職員の最初の異動先が人事課になるケースがよくあり、要は優秀でなくても行けちゃう職場だからです。
また、人事課は、人事異動に不服を感じている人から嫌われている印象も強いです。
公務員に人気がある部署3選
人気の職場の軸は2つあり、「キラキラした職場」と「仕事がラクな職場」です。
ただし、自治体の仕事量は増え続けており「仕事がラクな職場」は減りつつあります。
キラキラ部署3選
キラキラ職場は、以下の3つです。
①観光 ②産業 ③広報
仕事の内容は「やれば目立つ」or「感謝されるような仕事」です。
比較的ラクな部署3選
ラクな職場は、以下の3つです。
①住民記録 ②健康保険 ③環境
仕事内容は「残業時間が短い窓口職場」or「内部調査が多く、クレームの少ない環境系の職場」です。
プライベートな時間が確保でき、精神的にも安定できる職場が人気です。
しかし、近年では言動や体調に問題がある職員を、ラクな職場に配置することも増え、ひと昔よりも負担が増えています。
新人が配置されがちな部署3選
自治体の仕事は、住民の視点を持つことが大切です。
その感覚を養うため、新人は以下のような住民対応が多い職場に配属されることが多いです。
①住民記録 ②税金関係 ③健康保険
上記の職場は、職員数が多いため、
・業務未経験の新人が入ってくる負担感も分散される
・多くの住民や職員と関わることができる
...といったメリットもあります。
ポンコツ職員が配属されがちな部署
ポンコツ職員が配置されがちな職場は「職員数が多い部署」です。
ポンコツ職員の人事異動では「圧倒的な人数でポンコツを薄める作戦」がとられることが多いです。
10人の課よりも50人の課にポンコツが紛れ込んでいた方が、職員の負担は分散されますからね...。
逆に言うと、大規模な職場でポンコツ職員の世話をしている真っ当な職員は苦労するかもしれません。
希望者がいない不人気部署3選
自治体の中で、そもそも人気の職場は少ないのですが、不人気の職場は数え切れないほどあります。
庁内公募が出されている職場は人が希望しにくい、特に不人気職場であると判断ができるでしょう。
庁内公募の常連で不人気なのは、
・税金の滞納者から徴税をする
・生活困窮者の生活をサポートする
・泊まりや出張が多い
...といったハードな働き方が求めれれる職場です。
徴税は悪質な滞納者に支払いを求める仕事で、滞納者からの理不尽なクレームが絶えない職場です。
福祉のケースワーカーは、担当する方の家に訪問すると、
「ゴミ部屋の中をネズミが走っていた」
「担当する住民が亡くなっていた」
...というようなことがあるようです。
まとめ
公務員は3〜5年に一回くらいの頻度で人事異動がある。
人事異動のメリットは以下の3つ
①ジェネラリストになれる
②仕事に飽きない
③やりたくない仕事や人から離れられる
人事異動のデメリットは以下の3つ
①上司ガチャなど運要素が強い
②スキルが定着しない
③好きな仕事でも続けられない
人事異動で自分がどんな人材かわかる部署の特徴
▼優秀な人が集まる部署3選
→「企画」「財政」「人事」
▼人気がある部署3選
→「観光」「産業」「広報」
▼比較的ラクな部署3選
→「住民記録」「健康保険」「環境」
▼新人が配置されがちな部署3選
→「住民記録」「税金関係」「健康保険」
▼公募しても集まらない不人気部署3選
→「税金徴収」「ケースワーカー」「泊まり・出張が多い」
▼ポンコツ職員が集まる部署
→職員が多い部署
優秀な人が集まる部署や人気の部署は、評価がある程度高いことが条件となります。
人事評価を高めたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。