公務員の仕事の成績は数値化しにくいため、
「人事評価を上げる方法がわからない」
「優秀では無い同期の方が評価が高いのはなぜ?」
…と悩んでいる方も多いのでは?
私は入庁5年目までは『良好(そんなに使えない職員)』の評価を受けていたポンコツ地方公務員でした。
しかし、働き方を変えただけで『上位』『最上位』といった高い評価を受け続ける職員になりました。
そこでこの記事では、地方公務員10年以上のライターが「人事評価の概要」や「誰でも実践可能な人事評価を上げる方法」を徹底解説します。
目次
1. 公務員の人事評価ってどのように行なっているの?
自治体によって、評価制度は異なりますが、私の自治体の評価は以下の通り行われていました。
①業務における目標設定と成果報告
…期初に業務における目標、中間と最終結果の達成具合を上司へ報告します。
②人事評価
…①の報告を元に所属課長→所属部長→人事担当部長が評価をします。
③昇給&勤勉手当(成績率)への反映
…②の人事の評価が、昇給や勤勉手当(成績率)に反映されます。
④人事異動への反映
…②の人事評価は次の人事異動先へも影響します。
2. 公務員の人事評価は何段階か?
各自治体によって異なります。
一般職員に対する評価を5段階評価で行なっている自治体もあれば、4段階評価の自治体もあるかと思います。
それぞれの自治体でホームページに何段階評価を行なっているか公表していると思うので、気になる方は、各自治体のHPで確認してみましょう。
例えば、東京都や特別区の一般職員の場合は5段階評価です。
『5段階評価』は、数字やアルファベットを用いて表記されます。
※自治体によって段階評価の表記及び昇給は異なります。
5段階評価の場合…
A=極めて良好:6号昇給
B=特に良好:5号昇給
C=良好:4号昇給
D=やや良好ではない:2号昇給
E=良好ではない:昇給なし
※C=3号昇給の自治体もある
中間の『C(4号昇給)』が良好の評価です。
つまり、使えない職員を含む多くの普通レベルの職員は、ほぼC評価(=良好)になり4号昇給です。
ちょっと話が逸れますが…
国家公務員の若手職員の離職に歯止めをかけるための対策が発表されました。
その内容は、評価の区分を5段階評価から6段階評価に変えるといった内容でした。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210502-OYT1T50217/(読売新聞オンライン)
このニュースを見て若手職員の離職理由の分析結果とその対応が間違ってないか…と感じました。
個人的には、国家公務員の離職理由は、評価ではなく超過勤務時間が長すぎるからでは?と推測しています。
3. 元公務員の実際の人事評価はどうだった?
オクタミの退職直近4年の人事評価は、
・「極めて良好」のA=6号昇給が1回
・「特に良好」のB=5号昇給が3回
...と高評価が続いています。
それ以前のオクタミの評価はほぼ全て『C=4号昇給(良好)』で、1度だけ理由不明の『B=5号昇給(特に良好)』がありました。
入庁後、ポンコツ職員だったのにも関わらず、D評価=2号昇給(やや良好ではない)を受けた時はありませんでした。
「D評価=2号昇給(やや良好ではない)」を受ける人は、
おそらく「かなり上司から嫌われている」「かなり仕事ができない人」だと想像できます。
看過できるレベルであれば、「C評価=4号昇給(良好)」で4号昇給だと思います。
オクタミ入庁後は、「上司からも好かれていない」「仕事もできない」程度だったので、C評価=4号昇給(良好)だったのだと思います。
4. 給料が変わる?公務員の人事評価で何が変わるのか
人事評価は、翌年度の昇給や勤勉手当に影響を与えます。
勤勉手当は、成績率によって勤勉手当の支給額が異なります。
偉くなりたければ...
→人事評価で優秀であると評価してもらう必要があります。
お金がたくさん欲しければ、
→人事評価で良い評価を得て、基本給や勤勉手当を増やす必要があります。
昇任したいという意思がなく、給与面も「事務職でこの年収もらえてたら十分だな〜」と割と満足していました。
ただ、次の章で説明するマインドだけ変えて働いてたら、評価されて昇給し、勤勉手当も他の同期よりも良くなりました。
昇級や給与への欲求があまり無くても、結果的にもらえるお金が単純に増えるのは嬉しいことですよね。
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気になる方は、以下の記事もチェックしてください。
転職は年齢制限を設けている企業もあるので、動き出しは早い方が良いです。
5. 公務員の高い評価は「平等に順番で回ってくる」は本当?
港区のデータによると、特に良好(上位)・極めて良好(最上位)は全体の35%程度です。
「【特に良好(上位)】と【良好(=普通)】は順番に回ってくるだけだ。」と噂がありましたが…
直近4年間で受けた評価によると一度も「良好(=普通)」がないので、「順番だ!」とは言えないですね。
ただし、それ以前のポンコツ時代についた「特に良好(上位)」評価は、原因不明なので順番説も強ちウソだとも言い切れません。
以上の評価結果を元にした個人的な見解は…
・できない職員にも順番で何年かに一回は、「特に良好(上位)」評価を受ける
・明らかに優良以上の職員であれば、「特に良好(上位)」または、「極めて良好(最上位)」の評価を受ける
6. ポンコツ公務員が高い人事評価を毎年獲得できた5つのポイント
1人の先輩と出会ったことをキッカケに、以下の5点が大きく変わりました。
- 明るく楽しそうに仕事をする
…ポンコツ時代は、ミスに怯えながら仕事 - 自分の意見を積極的に言う
…ポンコツ時代は、意見が間違っているかも?と怖くて言えない - 係長に好かれる
…ポンコツ時代は、係長に好かれていなかった - 残業する
…ポンコツ時代は、残業しなかった - 新規事業・業務変更等のルーティーン以外を担う
…ポンコツ時代は、ルーティーン以外任されなかった
上記の5つは、連動性があります。
例えば…
・明るく楽しそうに仕事をしていると、
→係長(のみならず全ての職員)とのコミュニケーションが良好になります。
・係長とのコミュニケーションが良好だと、
→自分の意見を積極的に言うことができます。
・係長に好かれると、
→係長からも話しかけられ、必然的に仕事が振られやすくなります。
・仕事が振られやすくなると、
→仕事量が増えるので、残業時間が長くなります。
これを繰り返していくと、ルーティーン以外の仕事も任されるようになり、上司への評価に繋がります。
さらに、この上司の評価は人事課でも当然評価され、人事異動に大きく影響していきます。
私の場合は、窓口業務から事業系、総務、人事などの繁忙部署に配置されるようになりました。
7. 公務員の人事評価が低かったのは上司に怯えていたから
1つ目の職場では、ミスをすることに怯えながら仕事をしており、自分の意見を発言することもなく、必要以上に慎重に事務をしていました。
当時の上司は、
・有給休暇を取得しようとすると、
→「あなたの仕事大丈夫なの?」と言われる
・残業しようとすると、
→残業の理由を細かく聴取される
…といった責任を追求する、部下を厳しく管理する人で、とても怖かったです。
また、ため息や常に険しい表情の係長の顔色を伺いながら話しかけるタイミングを伺い、機嫌の良さそうなタイミングで話かける日々でした。
そのため、係員と係長の良好なコミュニケーションを取ることは不可能で、仕事は振られるけど、残業はしにくい最低の環境だったと思います。
怯えながら、自分の意見も言えずにイキイキ働いていない職員が、良い評価を得られるはずがありません。
8. 公務員の人事評価が上がったきっかけは、先輩との出会いだった
ずっと「職場環境に馴染めていないなー」と思っており、転職活動(別の自治体への受験)を始めていた時、初めての異動となりました。
初めての異動先に、あまり良い評判を聞かない「チャラチャラしてる?係長にタメ口?雑談が多い」モンスター先輩がいました。
何日か働いてみると、ただのモンスターではないことに気がつきました。
そのモンスター先輩は…実はめちゃくちゃいいモンスターで(ともに働いた人はみんな慕っているけど、ともに働いたことがない人からは不人気)
①明るく楽しそうに仕事をしているので、常に係は議論・相談・時に雑談による笑いが起き、
②係長や係員に対して自分の業務ではなくても、自分の仕事のように助言・意見をし、
③タメ口で話している係長(敬語と使い分け)から絶大な信頼を得て、係員・係長から相談を受け
④既婚者子持ちであっても、仕事を押し付けるわけでなく、繁忙期は月80時間程度残業をし、
⑤誰かから新規事業や業務変更の相談を受けた場合、「とりあえず断っておけば間違いない」ではなく、「できるか考えてみる」の精神で
仕事をしていました。
「公務員でこういう働き方してもいいんだ!」と気付かされました。
元々明るく自由な性格だった自分は、「自分のもっている個性にフタをしなくても良いんだ!」「明るく自由に楽しく働こう」と思い、モンスター先輩を真似てみようと行動を変えて行くと、人事評価がガラっと変わりました。
人事評価がガラッと変わって以降、課長の近くにいつも席があり、時に雑談をして楽しくやりすぎていたので、課長からいつ「うるさい!!」と怒られるか不安でしたが、一度も怒られることはなかったです。係長が怒られていたかもしれませんが…笑
人事評価が上がった理由は、課長の近くにいたということも大きく影響しているかもしれません。
課長の近くで
『係内で積極的に発言をし、新しいことや変えてみることにトライし、残業をし…』とやっている人と
『自分の意見を伝えることなく、常に受け身で指示待ち、振られた仕事にネガティブに反応し、残業もできません』の人を
比較したら前者に『特に優良(上位)』『極めて優良(最上位)』をつけざるをえないと思います。
こうして、万年ポンコツ職員だったオクタミは、1人のモンスター先輩との出会いをきっかけに高い人事評価を得たのでした。
何か困ったことが起きた時は、「あの先輩だったらどう考えるかな?」と一つの指標にもなりました。
ここまで公務員として人事評価を上げることについて解説しましたが、働き方を変えるために転職する選択肢もあります。
他人や組織を変えるよりも、自分が変わってしまう方が手っ取り早いです。
自分の転職の経験を以下の記事にまとめましたので、公務員から転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
9. まとめ
ポンコツ職員でも「特に良好(上位)」「極めて良好(最上位)」の評価を得ることはできます!
評価を上げるには、以下の5点を意識し、働き方を変えてみよう!
1.明るく楽しそうに仕事をする
2.自分の意見を積極的に言う
3.係長に好かれる
4.残業する
5.新規事業・業務変更等のルーティーン以外を担う
あとは、服装選びや身だしなみも人に与える印象に大きく影響するので注意しましょう。
評価を下げない服装を確認したい方は、以下の記事をチェックしてくださいね。
無理はせずに、自分のペースで公務員ライフを楽しんでください!!