公務員って安定してるイメージはあるけど、仕事は楽しいの?
と疑問に思う方も多いのでは…。
この記事では、実際に10年以上公務員として働き、民間企業に転職したライターが、公務員の仕事の楽しさと辛さを徹底解説します!
就活生や現職公務員の方が抱える
「これから公務員を目指すか…。」
「このまま公務員を続けるか…。」
...といった悩みの解消に役立つ内容になっているので、是非チェックしてください。
目次
1. 公務員のやりがい!仕事楽しんでいる人
売上を追求せず、税金で給料をもらう公務員の仕事は、民間企業と比べて特殊な環境だといえます。
民間企業と比較して、良い面と悪い面があります。
まずは良い面から紹介していきます。
公務員でよかった3つのポイント
①住民の生活に必要不可欠な存在
②仕事に前向きな人ほど重宝される
③前例を真似すれば良いのでラク
公務員の最大の醍醐味から解説していきます。
1-1. 住民の生活には必要不可欠な存在
これは民間企業に転職して痛感したですが、住民生活を支えている公務員の仕事は、尊敬すべき仕事だと感じています。
民間企業にも色々ありますが、売上を出すために本来不要なモノを、必要なモノとして売っている企業も多いです。
ですが、公務員の仕事は、
・生活困窮者に対する生活保護
・介護が必要な方への福祉サービス
・子どもの成長をサポートする保育や教育
...といった住民にとって必要不可欠なサービスを提供している点が最大のやりがいです。
公務員に向いてる人⑴
- 「自治体」や「住民」に尽くす献身性がある人
民間に転職した私に足りなかったのは、自治体や住民に対する献身性でした。
公務員の根本にあるべきマインドがなかったため、仕事にやりがいを感じることができず、民間企業に転職する道を選択しました。
1-2. 仕事に前向きな人ほど評価される
入庁してみるとわかると思いますが、自治体や住民に限らず職員に対する献身性がある職員は、とても少ないのが現実です。
「仕事したくない...」「月曜日がしんどい...」といった仕事にネガティブな人が自分の周りでは多かったのですが、これは逆に人事評価を簡単にあげるチャンスとも言えます。
「とりあえずやってみます!」
「とりあえず話聞いてみます!」
…と前向きに仕事をしていました。
後ろ向きな人が圧倒的に多いので、ただ前向きに仕事をしているだけで、新規事業などのルーティーンワーク以外を任せられるようになり、人事評価も常に上位の評価になりました。
公務員に向いてる人⑵
- 高い人事評価をやる気だけで得たい人
- 自治体や住民に対する献身性は無くても、身の回りの同僚を助けたいと思える人
人事評価を高める方法が気になる方は「【実体験】ポンコツ地方公務員が高い人事評価を獲得できた5つの理由」を参考にしてくださいね。
1-3. マニュアル通りに仕事したい人向き!前例主義な環境
公務員の仕事は前例を繰返すことが多いのが特徴です。
私は民間企業を複数社経験していますが、民間よりも公務員の方が教育や研修が整っていると感じています。
公務員に向いている人⑶
- 決まったことを淡々とできる人
- 思考するよりも作業する方が得意な人
人事評価が気になる方は、疑問を持ちながら作業し、自ら前例を改善していきましょう。
こんな人にならないように注意!
職場では、自分でやりもしないのに仕事の文句や改善案だけを言う人がいます。
言うだけで行動しない人は、同僚によく思われないので注意しましょう。
2. 「公務員はつまらないし、ツラい…」と後悔している人の特徴
公務員になった多くの人が、入庁前後のイメージと現実のギャップに悩んだことがあると思います。
公務員になって後悔した3つポイント
①仕事は増えるけど、人は増えないという地獄
②仕事で成果を出してもお金持ちにはなれない
③身内には好かれ、世の中の大半に嫌われている
イメージと現実のギャップは、実際に働いたことのある人にしかわからないことなので、ぶっちゃけてお話していきます!
2-1. 仕事は増えるけど、人は増えないという地獄
公務員は定時で帰るもので「定時で帰れると言うことは仕事がラクなんだろう...」といったイメージがありました。
ですが、イメージと現実はかけ離れており、残業が増えすぎて若手は疲弊していました。
公務員の残業が減らない4つの理由
①新規事業で評価を上げたい管理職
②事業をやめにくい体質
③仕事の押し付け合いが日常茶飯事
④退職者は多く、採用人数が少ない
①から④によって以下の悪循環に陥ってしまうのです。
「仕事が増えて減らない」
…自身の功績を残すために管理職は新規事業を始めますが、既存の事業をやめる提案はしません。
「仕事を引き受ける人がいない」
…増えた仕事を押し付け合った後、結局は仕事に前向きな人が常に引き受け、疲弊していきます。
「正規職員が増えない」
…定年の退職者は増えていますが、新規採用者数は増えず、会計年度任用職員(非常勤)などで補完しています。
仕事量は増え続けているのに、人は増えない悪循環により職場の残業が増え、人間関係も悪化していきます。
2-2. 仕事で成果を出してもお金持ちにはなれない
上昇志向のある職員は、最速で30代後半で管理職になることができます。
ただし、どんなに優秀な管理職でも年収は1,000万円代です。
しかも30代になった友人は、本業で1,000万円を稼ぎ、副業で事業を始めており、年収は副業次第で上げていける無双状態!
企業にもよるかと思いますが、年収1,000万円に到達するスピードは、民間の方が早いです。
公務員は副業がしにくい職業なので、規制緩和されると良いのですが、なかなか進まないのが現状です。
公務員でもできる副業を「公務員の副業おすすめ9選!バレて懲戒処分された実例」で紹介しているので、確認して見てくださいね。
2-3. 身内には好かれるけど、世の中の大半に嫌われている
窓口で働いている公務員であれば「税金泥棒!」のようなクレームを一度は受けたことがあると思います。
住民が払っている税金から公務員の給料が支払われているので、理不尽なクレームを受けることも多いです。
家族には自慢の存在、友人からは羨ましがられることもありますが、住民からは基本的に嫌われているのです。
民間企業であれば、
・商品が気に入らなければ、買わなければいい
・レストランが美味しくなければ、行かなければいい
...と言う判断もできますし、時には店側も客を選ぶこともできます。
ですが、公務員はお客さんを選ぶことができず、関わりを避けることができません。
特に地方公務員は住民対応不可避なので相当の覚悟や諦めが必要です。
3. もはや都市伝説…公務員は安定しているってのは嘘か
よく周囲の人から公務員は安定してるからと言われていました。
私は、職業の安定には、
①辞めなければ、給料が安定してもらえる
②仮に辞めても、転職市場での価値が安定している
...といった2種類の安定があると思っています。
公務員は辞めなければ、定年まで年功序列で給料が上がり、平均年収以上の給料をもらい続けることができるので給料面では安定しています。
しかし、公務員を辞めた場合に、公務員の職が転職に有利になる職業ではないため、転職市場では不安定だと言えるでしょう。
以下の理由で公務員が転職市場であまり価値がないことを実際に転職活動をして知りました。
・異動でスキルが定着しない
・売上や数字で測れる成果がない
「本当?」って疑問に思う方は、転職サイトで試しに書類選考にチャレンジしてみてください。
書類選考の通過率の低さにびっくりしますよ。
30代で公務員から転職した理由や方法が知りたい方は以下の記事をチェックしてくださいね!
4. 公務員の勝ち組と負け組|年代別のプライベート事情
10年以上公務員を経験してきて、上司や同僚など多くの方と関わりがありました。
20代の若手職員
・プライドのために昇給を目指している人が1割
・仕事はそこそこに異性との出会いを楽しんでいる3割
・趣味に没頭する人が1割
・趣味もなく、仕事もプライベートも満喫していない人が5割
最後の属性のタイプで結婚できた人の多くが、30代で家庭が趣味になっていきます。
30代の中堅職員
・プライドのために昇給を目指している人が1割
・家族が趣味の既婚者が5割
・こじらせ系の独身者が4割
既婚組は20代から30代前半で結婚するので、30代で婚期を逃すとずっと独身の人が多いです。
40代以上のベテラン職員
・プライドのために昇給を目指している人が1割
・家族が趣味の既婚者が5割
・仕事しか無くなってしまった独身者が3割
・趣味に没頭している独身者が1割
肌感覚ではありますが、どの世代も仕事に熱中している人は少なく、既婚組は「家庭重視」の人が多いです。
独身の公務員が多い2つ理由
・良くも悪くも異性に依存しなくて良い収入がある
・単純に出会いがない
特に女性は産休も取りやすく、職場復帰後も時短勤務などで働きやすいので、女性の方が公務員になるメリットは大きいと思います。
公務員の勝ち組と負け組
【公務員の勝ち組】
早々に結婚して、仕事はあまり熱中せずに家庭重視の人
【公務員の負け組」
仕事も好きじゃないが、家庭がないという理由で仕事が振られやすい独身の人
仕事への情熱や趣味もない人はなるべく早く結婚したほうが良いでしょう。
仕事量が配慮されますし、家族のために働くといったモチベーションも持つことができるので良いと思います。
公務員の負け組になってしまうと、何のために働いているのかわからないまま働き続けることになります。
庁内の狭い世界で結婚するリスク
公務員は出会いが少ないため、庁内で結婚する人も多いのです。
庁内で結婚した場合、結婚相手の良い・悪い噂話も耳に入ってくるのがツラいですよね。
また結婚が一回で済めばいいのですが、中には離婚して、庁内の別の人を結婚するパターンもあります。
5. まとめ|公務員と民間を迷わず選べる価値観はコレ
ここまで公務員の「やりがい」や「仕事のつらさ」を説明してきました。
公務員と民間で働いた経験がある私の考えとしては、「公務員に向いている人」と「民間で働いたほうが良い人」を一言で分けるなら、変化を好むかどうかです。
・一つの仕事を続けて、ある程度の給料と信用を得たい方は、公務員の方が良い
・時代にあったスキルや働き方をしたい方は、民間企業の方が良い
公務員を辞めて民間に転職し、しっくりこなかった場合は、また試験を受けて公務員になれば良いだけの話。
ただし、公務員を40代で辞めても民間への転職が厳しいと思うので、転職はなるべく早めに経験しておいたほうがいいでしょう。
この記事を参考に「公務員の仕事にやりがいを持つ」「民間企業の仕事にチャレンジしてみる」といった行動につながれば幸いです。