若手国家公務員の退職者が増えているといったニュースが報じられ、地方公務員の現状はどうなっているのか気になったので、調べてみました。
今回は、総務省が発表している地方公務員の退職についてのデータを整理しました。
それとは別に都庁・区役所の各自治体が公表している普通退職者数も調査し、ランキングにしてまとめてみました。
普通退職者が少ない職場は、職場環境や自治体の事業が魅力的なのかなと思います。
普通退職とは?
普通退職とは、定年退職、早期退職(元気な組織を維持するために45歳以上を対象に募集を募る)、勧奨退職、分限・懲戒免職、死亡退職以外の退職です。
何かやりたいことが他にできて辞める、残業が少ない働き方をしたい等自己都合で公務員を辞める場合は、基本普通退職ですね!
勧奨退職って官庁・自治体サイドから「辞めてもらっていいすか?」って言われて、本人がそれに合意する退職であってますかね…
普通退職者って増えてるの?減ってるの?
「公務員なんて、クビもないし、生涯安定で、大した仕事もしてないし、うま味十分で辞める人なんていないでしょ?」
と思われている方も多いと思います。
そこで「都道府県」「市・特別区」の一般行政職がどれくらい1年間で普通退職をしているのかを総務省が公表しているデータをもとに調査しました。
また、過去のデータを整理して、推移はどうなっているのかをまとめてみました。
都道府県
・24歳以下は緩やかな増加を続けています。
・25歳以上29歳以下(大卒だと3年目〜8年目)の世代は、2013年からずっと右肩上がりで普通退職者が増えています。
特に2016年から2019年までの伸び率が特に大きいですね。
すぐに辞めない人材というのがわかってもらえる気がするので、転職も適齢期な気がしますね。
・30歳以上34歳以下は、2017年まで緩やかな増加でしたが、2018年以降急激に増えています。
・35歳以上39歳以下は、2017年までは横ばいで、2018年以降右肩上がりです。
・40代は上がったり、下がったりと増減は少ないですが、若干右肩上がりですかね。
・特に顕著なのは、2016年以降の25歳以上29歳以下の普通退職者数ですね。
2019年は、他の世代の2倍程度の普通退職者数がいます。
入庁前の理想と入庁後の現実のギャップに気づき始める年代かなと思ってます。
2019年度時点の退職者世代別順位
①25歳上29歳以下
②30歳以上34歳以下
③40歳以上49歳以下
④24歳以下
⑤35歳以上39歳以下
市・特別区
・都道府県とは異なって、全体的に右肩上がりです。
・24歳以下は緩やかな微増が続いていましたが、2018年以降の普通退職者が増えています。
・25歳以上29歳以下は、2017年から退職者がより増えています。
・30歳以上34歳以下は、2018年から退職者がより増えています。
・35歳以上39歳以下は、緩やかな右肩上がりです。
・40歳以上49歳以下は、右肩上がりで増えています。
・全体としては、どの世代も綺麗に右肩上がりですね。
2019年度時点の退職者世代別順位
①25歳以上29歳以下
②40歳以上49歳以下
③30歳以上34歳以下
④35歳以上39歳以下
⑤24歳以下
【公務員に対する世間(入庁前)のイメージ】と【現場(入庁後)】のギャップって未だに大きいですよね。
結果は以下の通り
ベスト3
①中野区 0.72%
②練馬区 0.80%
③豊島区 0.81%
ワースト3
①品川区 2.28%
②中央区 2.12%
③新宿区 1.74%
※足立区は、普通退職者数が確認できませんでした。
まとめ
公務員は、入庁するまでに幅広い分野の試験勉強をし、民間に比べて労力と時間がかかるため、その努力と今後の生活の安定を考えると退職まで決断することがとても難しい職だと感じます。
そんな中、100人に1人か2人は、普通退職で自治体を去っていっているようです。
過去5年間の情報を開示している自治体が複数自治体ありましたが、横ばいか減っているところが多かったのが意外でした。
今後は、普通退職者がどのように推移していくかを調査したいと思います。
地方公務員の方も『職場環境が自分の希望と合っていない』『他にやりたいことがある』と思っている方が気軽に退職し、新しいチャレンジができる日がくればいいなと思います!
休職や退職を我慢することで、逆に自治体側は職場環境や人員配置等の体質を見直す機会を失ってしまうことに繋がってしまう気もするので、あまり無理をせず、特に若い人は『別の世界でチャレンジするのもありかなー』なんて個人的には思います!